今はまだ語るべき時ではない2

ページ名:行先表示器

はじめに

行先や種別を表示するための装置を「方向幕」などと呼ぶことがあるが、習志野都市高速鉄道では、方向幕を1000形導入より採用している。また時代によっては、「サボ」と呼ばれる、行先などが書かれた板が用いられたこともあった。

現在、「サボ」は既に姿を消し、「方向幕」についてもLEDを用いた装置にとって変わりつつある。特にフルカラー式のものは、方向幕時代と同じように多彩な色が使用可能で、なおかつ無接点化できるというメリットがあるため、現代で敢えて幕式のものを採用する理由はないとしている。

方向幕とLED式の行先表示器は仕組みこそ異なるが、役割としては同じである。そこで、方向幕もLED式行先表示器も、広義的には行先を表示する装置であることから、当ページではこれらの装置を「行先表示器」と呼称する。

サボ

全般

50・20形で採用された。1000形で一時的に幕式が採用されたのを除いて、500・2500形導入時までサボが使用されていた。京成から譲受したということもあり、めくることタイプのサボが使用された。行先は習志野都市高速鉄道の環境に併せて変更されている。


方向幕

手動式 (1971-1986)


「車両が中古車であっても、できるだけ高いサービスを提供しよう」という考えのもと、1000形では方向幕が採用された。可能な限りコストを圧縮するため、前面のみの搭載となり、手動式となった。

行先対照表
01:(空白) 16:津田沼
02:回送 17:大久保
03:試運転 18:鷺沼台
04:臨時 19:東袖ヶ浦
05:高速電車 20:東習志野
06:(空白) 21:北習志野
07:環状線(左回り) 22:三山
08:環状線(右回り) 23:谷津
09:東習志野線 24:実籾
10:二宮線 25:八千代台
11:谷津線 26:(空白)
12:実籾線 27:(空白)
13:湾岸線 28:(空白)
14:(空白) 29:(空白)
15:(空白) 30:(空白)

手動式かつコマ数が多いため、幕回しが大変なように見える。しかし、よく使用する行先は隣り合うように並べられているなどの配慮が見られ、そこまで幕回しは大変ではなかったという。

この幕が搭載された1970年代では「環状運転」「東袖ヶ浦~東習志野」「東袖ヶ浦~北習志野」の3系統が運転されていた。東袖ヶ浦、東習志野、北習志野の3つについては、19、20、21と隣り合っており、幕回しが短時間で終わる。また環状運転に至っては、環状運転中は基本的に幕を変えないので、一度セットさえすれば良かった。

この他の特徴として、当時開業見込みだった路線については、方向幕に行先・路線が設定されている。谷津線、湾岸線、実籾線の3線が該当するが、それぞれ個別に解説する。

まず谷津線は、方向幕上で津田沼(16)と谷津(23)の間が離れていたことに加え、孤立路線・短距離運行という特徴から、後に開業した際にほぼ「谷津線」固定で使用されていたという。1000形が谷津線に転属された1982年から使用が開始されたと見られ、1986年の船橋港線開業に伴う運行形態変更まで使用された。

次に湾岸線であるが、1971年時点では当時の湾岸エリア(習志野市秋津、茜浜、香澄、芝園等)は埋め立て前であり、仮称として「湾岸線」にしたという。その後、湾岸方面の路線は「船橋港線」と「新都心湾岸線」にそれぞれ決定され、「湾岸線」幕が日の目を見ることはないと思われた。しかし、新都心ローカルが設定された際に、湾岸系統対応の方向幕に更新されるまでの間、この「湾岸線」幕が使用されていたという。

そして最後の実籾線であるが、こちらは開業しなかったために使用されず、後年の方向幕更新の際に設定そのものが削除された。

冷房更新グループ

1980年代に冷房化が行われた1000形750・2250形で採用された。この頃になると、湾岸系統の開業が間近となったことで、湾岸方面の行先が設定されるようになった。また、コマ数の劇的な増加や側面への方向幕整備などから、さすがに手動式では無理と判断され、このグループより方向幕の自動化が図られた。

1600・2700形グループ

新造車の2700形と譲渡車の1600形に搭載されたグループの方向幕である。規格は違えど、1600形でも京急時代に方向幕を使用しており、基本的には京急時代の装置を流用しながら、内容のみ変更するという措置が取られた。

また、船橋港線では快速列車の運転が企画され、種別専用の方向幕を設置することになった。種別幕を設けない場合は、単純計算で「種別コマの数×行先コマの数」分のコマ数が必要となるが、別々に設ければ「種別コマの数+行先コマの数」分で済む。

また、この頃までのグループは京成赤電等の導入が考えられていなかったため(習志野都市高速鉄道で導入が検討されるようになったのは2000形導入以降のことである)、良くも悪くもオリジナリティのある方向幕となっていた。

種別対照表
01:快速
02:特別快速
03:通勤快速
04:区間快速
05:普通
06:回送
07:試運転
08:臨時
09:急行(2004年に追加)
10:通勤急行(2004年に追加)
11:特急(2004年に追加)
12:(空白)

行先対照表

その他形式

赤電グループ

LED式表示器

共通事項

基本的な仕組みは、運転台で番号を指令し、表示器が予めプログラムされた内容に従い、指令された番号ごとに行先などを表示する。

2720形グループ

2720形ではLED式幕が試用され、そのまま後の増備車でも採用された。回転部がなくなり、方向幕破損のおそれがなくなった一方、当時は3色表示にしかできず、視認性も良くないという問題もあった。そのためか3色LED式の表示器は2720形以外には波及しなかった。更には2800形登場後はフルカラー式LEDへの交換が進められ、現在3色LED式の2720形は現存しない。

2800形グループ

2800形はフルカラーLED幕で登場した。その後、2700形・2720形のフルカラー化が進み、2018年現在ではこれらの形式もフルカラー式となった。FC-LEDと表記されることもある。

  • 最終更新:2018-02-02 00:32:09

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード