県営鉄道3010系

基本データ

  • 編成:3510(Tc)+3110(M)+3210(M')+3110(M)+3210(M')+3510(Tc')
  • 車体構造
    • 3010系0番台:セミステンレス
    • 3010系50番台:軽量ステンレス
  • モーター出力・ギア比:130kW・5.31
  • 制御方式:界磁チョッパ制御
  • ブレーキ方式:回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
  • 起動加速度:2.8km/h/s
  • 最高速度:105km/h

概要

3010系は1981年の犢橋延伸に伴い導入された車両である。1987年までに96両(6両編成16本)が新造され、当時の最大勢力であった2000系の数を越えた。

当形式は「チープ」が特徴であり、セミステンレス構造や界磁チョッパ制御の採用で価格を抑えつつ、軽量化や回生ブレーキの恩恵を享受した。その一方で、複巻モーターのメンテナンスに手を焼いたり、後年にはセミステンレス構造ゆえに内部の腐食に悩まされたりもした。

2012年以降、5000系導入による置き換えが進行しつつあり、また都心乗り入れに対応させない予定であることから、2018年頃を目途に引退する予定である。

新造までの経緯

3000系での試験の結果、オールステンレス・AVFチョッパの組み合わせは高いパフォーマンスを得られた一方、高コストであるということがわかった。通勤電車は大きな需要に対応するため、たくさんの車両を造らなければならず、1両あたりの新造費用が安くなければならない。もちろん高価な車両であっても、それに見合う効果が期待できれば良いのだが、3000系は効果以前にイニシャルコストが掛かり過ぎていた。

そこで、県営鉄道では「ほどほどの費用で、ほどほどの効果が得られる車両」を検討したところ、「セミステンレス構造による界磁チョッパ制御が最適である」と判断した。

セミステンレス構造とは、外板のみをセミステンレスとして、内部構造は通常の鋼材で組み立てたものである。コスト面では、ステンレスを採用するため普通鋼製よりは高くなるが、オールステンレス構造と比べれば安く造ることができた。セミステンレス構造のメリットとして、外板がステンレスなので、塗装工程が不要となる。これは検査日程の短縮に威力を発揮し、車両のやりくりがギリギリとなった時に、塗装車よりも数日早く出場できるため重宝されたという。

界磁チョッパ制御とは、途中までは抵抗制御を使用するものの、界磁制御以降でチョッパを用いて界磁を無段階に制御する方式である。界磁に流れる電流は小さいため、チョッパを使用しても装置が大掛かりにならず、安価に済んだ。また一定の速度までは抵抗制御を用いるため、これもまた安価であった。この他、界磁チョッパ制御では界磁を自在に操れるため、一定速度以上での回生ブレーキや定速制御が可能である。

いずれの技術も既に確立したものであり、県内でも1979年に北総鉄道が7000形で採用していた。これにより、技術面やコスト面で問題ないと判断し、県営鉄道も採用することになった。

この他、ブレーキ方式は電気指令式を採用。3000系のブレーキ操作で大変だったこと、更には配線の簡略化がメンテナンスの低減になるとして、採用したのだという。

形式について

当初は4000系、または4000番台を飛ばして5000系とすることも考えられたが、3000番台をたった6両分しか使わずに飛ばしてしまうのはもったいないと考えられた。そこで、3000番台を引き続き使用しつつ、10番台から振り直すことで「3010系」と称し、3000系との区分とした。

また3010系は1987年の増備車では軽量ステンレス構造としたが、この区分として3050番台から振り直し「3050系(3010系50番台)」とした。

運用の変遷

こてはし延伸と増発(1981~1982年)

1981年には犢橋車両基地を開設することになった。当初は車両基地への線路は引き込み線としてのみ使用する予定だったが、地域住民の要望により、支線という形で営業運転を行うことになった。運転区間は広尾台~こてはし間の1.1キロ間であり、規模も小さいことから、2000系のA編成(3+3)を3両編成ずつにバラし、区間運転用に使用することになった。これにより、3両編成2本(=6両編成1本)を捻出する必要が出てきた。この他、増発のため6両編成5本が必要となった。

当初はこれらの車両新造を単年度に行う計画であった。しかし、3010系は従来の車両とは走行特性が異なり、更には電気指令式ブレーキとなったことで操作方法も大幅に変化した。そのため、習熟に時間が欲しい事情があったことから、1981年に1編成、1982年に5編成を投入する計画に改められた。

1981年には6両編成1本が入線し、区間運転用の2000系を捻出した。続いて1982年には6両編成5本が入線し、増発用に充てられた。

千葉延伸(1984年)

(準備中)

ポートタワー延伸(1987年)

(準備中)

編成表

新造年次 Tc1 M1 M2 M1 M2 Tc2  
1981年 3511 3111 3211 3112 3212 3512  
1982年 3513 3113 3213 3114 3214 3514  
1982年 3515 3115 3215 3116 3216 3516  
1982年 3517 3117 3217 3118 3218 3518  
1982年 3519 3119 3219 3120 3220 3520  
1982年 3521 3121 3221 3122 3222 3522  
1984年 3523 3123 3223 3124 3224 3524  
1984年 3525 3125 3225 3126 3226 3526  
1984年 3527 3127 3227 3128 3228 3528  
1984年 3529 3129 3229 3130 3230 3530  
1984年 3531 3131 3231 3132 3232 3532  
1984年 3533 3133 3233 3134 3234 3534  
               
1987年 3551 3151 3251 3152 3252 3552  
1987年 3553 3153 3253 3154 3254 3554  
1987年 3555 3155 3255 3156 3256 3556  
1987年 3557 3157 3257 3158 3258 3558  

  • 最終更新:2017-12-21 19:34:04

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